第6教室:『ボヴァリー夫人』(只今学習中)/ 過去記事保存中『ココット嬢』『最後の授業』

『ボヴァリー夫人』を読んでフランス語の学習をしましょう.

ココット嬢(13)(モーパッサン作品集より)

 
ココット嬢(13)   
Mademoselle Cocotte


——————————【13】—————————————————

L' homme  caressa  ces  os  saillants,  et,  tout  ému  
par  cette misère  de  bête: « Allos, viens ! »  dit- il.


...——————————(訳)—————————————————

男は突き出た骨をやさしく撫でた.この犬の哀れっぽ
さに心を動かされたのでした:「さあ、おいで!」.
男は言いました.

    
——————————《語句》————————————————
      
caressa:(3単単純過去) 
   < caresser (他) (やさしく)撫でる、愛撫する    
os:[オス](m) 骨
os:[オ](m複数形) 骨
saillant(e):[サイヤン、サイヤント](形) 突き出た、張り出した    
ému:(形) 心を動かされた、感動した
   < émouvoir (他) 感動させる、   
misère:(f) みじめさ、貧困、
    [文] 不幸    


——————————《骨》————————————————

——質問があります.
——どうぞ.
——「彼は骨のあるやつだ.」を仏訳してみました.
  これでいいですか?
  Il eat un homme qui a un os.
——だめです.まず、人物説明をする場合、主語にil は
  使いません.C'est ~ を使います.
——ではC'est un homme qui a un os.  でいかが?
——まだだめ.だって骨を1本持っていたら何なの?
  そもそも「骨のある」という表現そのものが日本語
  特有なのでフランス語特有表現で対抗しましょう:
  C'est un homme de caractère.


——————————《骨partⅡ》————————————————
    
——質問があります.
——どうぞ.
——ロートレックの絵の中の「骨なしバランタン」は
    Valentin le Désossé ですがどこに骨があるの?
——あなた、その質問は柳の木はだらだらしているけど
  骨があるの?という質問とあまりかわらないよ.
  まず柳の木 osier という綴りにちゃんとos は入っ
  ています.同様にDésossé はdés + os + sé  で
    接頭辞désが意味を逆転させる否定辞、そしてos
  が「骨」、そして接尾辞séで構成されています.
——sé は?
——知らない.でも全体を形容詞化して意味を醸成させ
  ていることだけは確かです.そして意味が醸成した
  あとさらに人物名として名詞化させているようです.