ココット嬢(13)
Mademoselle Cocotte
——————————【13】—————————————————
L' homme caressa ces os saillants, et, tout ému
par cette misère de bête: « Allos, viens ! » dit- il.
...——————————(訳)—————————————————
男は突き出た骨をやさしく撫でた.この犬の哀れっぽ
さに心を動かされたのでした:「さあ、おいで!」.
男は言いました.
——————————《語句》————————————————
caressa:(3単単純過去)
< caresser (他) (やさしく)撫でる、愛撫する
os:[オス](m) 骨
os:[オ](m複数形) 骨
saillant(e):[サイヤン、サイヤント](形) 突き出た、張り出した
ému:(形) 心を動かされた、感動した
< émouvoir (他) 感動させる、
misère:(f) みじめさ、貧困、
[文] 不幸
——————————《骨》————————————————
——質問があります.
——どうぞ.
——「彼は骨のあるやつだ.」を仏訳してみました.
これでいいですか?
Il eat un homme qui a un os.
——だめです.まず、人物説明をする場合、主語にil は
使いません.C'est ~ を使います.
——ではC'est un homme qui a un os. でいかが?
——まだだめ.だって骨を1本持っていたら何なの?
そもそも「骨のある」という表現そのものが日本語
特有なのでフランス語特有表現で対抗しましょう:
C'est un homme de caractère.
——————————《骨partⅡ》————————————————
——質問があります.
——どうぞ.
——ロートレックの絵の中の「骨なしバランタン」は
Valentin le Désossé ですがどこに骨があるの?
——あなた、その質問は柳の木はだらだらしているけど
骨があるの?という質問とあまりかわらないよ.
まず柳の木 osier という綴りにちゃんとos は入っ
ています.同様にDésossé はdés + os + sé で
接頭辞désが意味を逆転させる否定辞、そしてos
が「骨」、そして接尾辞séで構成されています.
——sé は?
——知らない.でも全体を形容詞化して意味を醸成させ
ていることだけは確かです.そして意味が醸成した
あとさらに人物名として名詞化させているようです.